獣は石の様に動きを止めていた
「……………?」
「大丈夫ですか。美香様」
私の前に立っている見知らぬ女の人が話かけてきた
「あ…は、い………
有り難うございます」
女の人が手を差し伸べてくれて私を立ち上がらせてくれた
「…あの?………」
…誰だろ?
「申し遅れました。私は
ルーシィと申します
以後お見知りおきを。」
「あっ…美香です」
ルーシィと名乗った人は漆黒の肩にかかるかかからないか位の髪に整った顔をしているが
どこか物悲しさが漂っていた…
―なんだか私嫌われてる?
―初対面なのに……
明らかに素っ気ない声音にそう思うのも無理ないだろう
自分をみる瞳が、態度が
敵意丸出しなのだから


