「ナオちゃん、元気なくない?」

みんながテンション高い中で、なぜだか浮かない顔のナオちゃん。

ナオちゃんは柚木君と同じY高に合格したんだから、もっと嬉しそうにしててもいいはずなのに。

私の気持ちに遠慮して、かな?

ナオちゃんだけが知ってる、私の失恋……。

「いろいろあったけどさ、私はナオちゃんと同じ人を好きになれて良かったと思ってるよ?」

ナオちゃんが真っ直ぐ柚木君に告白する姿を見て、私も強くなる決心ができたんだから。

「ありがとね」

柚木君の事を考えると、今はまだ胸が締め付けられるけど。

きっと、いい思い出に変えられるはず。

「……楓花ちゃん」

ナオちゃんは、なぜだか申し訳なさそうに私を見ていた。

「えーと、実はさ、まだ招待客がいたりするんだ」

突然アキちゃんは時計を見上げると、へへっと笑いながらピースした。