「ありがとう。あの顔じゃあ、家に帰れなくてさ。色々うるさいんだわ」



確かに、おばさんはお小言が多い



「でももうみんな寝てるだろうし。」



「送る」



こんな時だけサラッと出てくるセリフ



他に言うことあるはずなのに



「いい。要らない。
女の子にあんまり優しくすると、勘違いされるぞ。」



「…別にいい」



そう言えば、こいつは困ったように笑う



「…そういう問題じゃなくて、もう12時過ぎてるんだぞ」



「…一人であるきたい気分なんだ」



仕方ない



こうなったら意地でも譲らないやつだ



「…わかったよ。気をつけろよ」