「はぁ?男装だぁ?」「すみません…。私はこのままでイイです?」「お嬢さん、だが………アンタ、このままでいたら死んで…「イイです!私は…」「バカ言ってんじゃねぇ!」「ッ…!」
肩を思い切り掴まれ、彼の目を見つめていた。
「たとえドブネズミだろうが…。お前はタダのドブネズミか?美しい内面や、自分がどれくらいの美しさか分からず死ぬのか?簡単に人生を語るんじゃねぇよ、小娘が!」「ッ…。だって…。… あーっ!」
涙が溢れる。嬉しくって嬉しくって。
こんな私を気に掛けてくれる人は見たことない。
「す…まん…。言いすぎたな…。」
手を離すと、私の顔に伝わる涙をぬぐった。
「いいえ…。嬉しかったです。」
「なにがだ?」
すると男の人の2人は髪の長い男の人を残し、お嬢さんを頼むよと一言言い、去って言った。
私はわずかながら目をキョロキョロ流しながらも答えた。
「こんな私でも…人として見てくれるんだなって…」「そうか…。」
黙って私の話を聞いてくれた。
「あの…。お名前は?」「言わなきゃダメか?俺のコト聞けばアンタ、逃げるが。」「逃げません。新撰組の方ですよね?」
「まぁな。副長を務めついるが…。」「へぇ!副長?!ご立派ですねぇ…。へぇ…。」「驚かないのか?」「え?どんな方でも、私を助けてくれたお方です。」「なにも助けた覚えは…」
なんだか優しい人だなぁ…。新撰組ッて怖いイメージしかなかった。
「ソレでは…。あ!ウチの裏にお菓子が!」「菓子?」「はい!ウチ団子屋を営んでおります。店のカギ番は私です。」「良いのか?怒られないか?」「…」