幕末恋絵巻〜叶わなかった運命の恋〜 土方歳三 君菊 編

「さぁぁきぃぃぃぃぃ!無事だったぁぁあ??」
松島屋に向かっている途中、買い出しに行っていた美紀さんに会った。
もう…立ち直ったのかな?
薄々戸惑ったが、元気で何よりだった。
「男に一晩買われたって女将さんが言っていたから心配だったんだよぉ!」
「いえ。買われませんでした。助けていただいて…。」「エェー。見廻組?」「ぃぃぇ…。土方さん…。」「そっ……かぁ…良かった。」
寂しそうな顔付きになった美紀さん。なにをいえばイイか分からなかった。
「でも…。意外に男装似合うのね。女の私でも惚れ惚れするわぁ…」
私の男装をみて目を丸くする美紀さん。そう言えば…。美紀さんって、普通の芸妓の話し方をしない。普通の話し方だ。そこで思い切って聞いてみた。
「美紀さんって、元々松島屋の芸妓としてじゃないですよね?」ハッとした美紀さん。聞いちゃいけなかったのかなぁ…?美紀さんはまた今度教えてあげるね、と言い、荷物を一つ渡してきた。美紀さんにも、色々な過去があるのだと知った日だった。