「ヨッ!君菊ちゃん!いつもお美しいねぇ…」「はぁ。ウチ、嬉しいドスぇ…。またおいでなんしょ。」


土方さん…今貴方は何を思っていますか?
私…。立派な芸妓になりました…。
アレから半年。未だに貴方の羽織りは洗っていない。
今じゃ、松島で1番と言っても過言じゃありません。
こんな私の姿、見て欲しかった…。
「まだ19なのに…。稼ぐね、君菊。いや…咲。」「美紀さん…」
美紀さんは前からお琴さんの性格は好きではなかったよう。
直ぐ様私の見方についてくれた。
美紀さんには本当に感謝している。
美紀さんの言葉と、貴方ね香りの羽織りでここまで来た。
私はまだ貴方を忘れられない。
まだ好き。好き。大好き…。
でもイイの。貴方と同じ月を見れれば…。もうなにもいらない。
本名の咲はサスガにマズく、君菊と言う立派な名前を頂いた。
もう…。貴方を忘れるはずだった。
あの日が来るまでは…。