ばさっと土方さんの羽織りを脱がすお琴さん。
しかも、私の涙がオマケつきの羽織りを。
「汚いから洗って置いてちょうだい!」
私の頭の上にかかる、羽織り。
また頭の中がクラクラした。
「お琴!好い加減にしろ!」土方さんは呆れてその場を去った。
最後にお琴さんの呟きに恐怖を感じた。
「あんたなんか…。いつか仕返ししてやるんだから。」「ッ…!」
しゃがみこんだ私はただひたすら、自分から流れる真っ赤な血を眺めることしか出来なかった。

「咲ちゃん?」「み…き…さ…」「大変だったね。良く頑張ったよ。」
目の前には美紀さんが立っていた。
「美紀さん…!美紀さん!」「うんうん。帰ってから聞くよ、立てる?」
その日は美紀さんがおぶってくれた。
土方さんの羽織りを抱きしめながら、泣いていた。
その涙も…。羽織りで拭き取ってしまった。
土方さん…。




ごめんなさい…。