『な、何故だ…ヴァンパイアは全て滅びたハズじゃ…サラが最後のヴァンパイアだったハズじゃ…』


ヴィルグロースは驚きでいっぱいだった。


『確かに…確かに私はヒューマンたちが月闇の村に攻めてきたあの日、ヒューマンに剣で心臓を貫かれて死んだはずだった…』


ルシファーはそう言って、右手で自らの左胸を押さえた。


『だが…ふと意識を取り戻した私はその場に立っていた…無傷のまま…。心臓を貫かれた以上ヴァンパイアの治癒力など意味を持たない…。だから生きていた事が不思議だった。何故、私は生きていたのか…何年もさ迷いながらその答えを探していた時…ヴィルグロース、私は君の存在を知った』


ルシファーはヴィルグロースの目を見つめて話しかけた。