ヴィルグロースの背後には、黒いハットを深く被ったクロードが立っていた。


『ク、クロード…』


ミーナは弱り切った声で言った。


『ヴィルグロース…君はサラの気持ちを…思いを何一つわかっていない…』


クロードがそう言うと、ヴィルグロースは振り返りクロードの喉を右手で掴んだ。


『ならお前に…お前にサラの何がわかると言うのだ!!お前に…』


ヴィルグロースは涙を目に溜めながら辛そうな表情で怒鳴り、クロードの背中を壁にたたきつけた。


ヴィルグロースに背中を壁にたたきつけられたクロードは、その拍子で自慢の黒いハットが脱げて地面に落ちた。