サラはヴィルグロースの問いかけに何一つ答えなかった。


ヴィルグロースの問いかけに何一つ…。


『お願いだからサラ…答えて…くれ…』


ヴィルグロースは膝をつき、床に崩れ落ちた。


『ヴィルグロース…はぁ、はぁ…』


そんな姿をずっと見ていたミーナが悲しげに呟いた。


『サラは…サラは今の君には何も答えてくれないよ…今の君には…』


ふと崩れ落ちているヴィルグロースの背後から優しい声がした。


『えっ…?』


ヴィルグロースの背後に立つ人物の姿が目に入ったミーナとジャックは口を揃えて、ただ驚くしかなかった。