ヴァンパイアヒューマン−桜−



光に包まれているサラはただ黙って両手を広げ、無表情のままヴィルグロースを見ていた。


『どいてくれサラ…奴らを倒すんだ…さあ、そこをどいてくれ…』


ヴィルグロースは優しくサラに告げた。


しかし、サラはその場を動かなかった。


『サラ?どうしてどいてくれないんだ…まさかサラの命を奪ったヒューマンたちをかばうと言うのか?』


ヴィルグロースは戸惑いながら、信じられない様子で尋ねた。


サラはただ無表情のままヴィルグロースを見つめていた。


『サラ…どうして…どうしてなんだぁぁぁ!!』


ヴィルグロースは叫びながら城壁の方に向きを変え、両手に溜まりに溜まったパワーを衝撃波として放出した。