ヴァンパイアヒューマン−桜−



『よし…』


ミーナはそっと黒闇の城の門を開いた。


二人は恐る恐る黒闇の城へと入った。


二人は入った瞬間、異様な空気感と重苦しい重圧に襲われ、背筋が凍りそうな感じだった。


薄暗いのその城の大広間の2階へと続く階段の途中に、人が立っていた。


『だ、誰?ヴィルグロース?』


ミーナは暗がりの中、目を細めてその人物を見た。


その人物はコツコツと足音をたてながら、ゆっくりと階段を降りて来た。


そして足音が止まったと同時に、その人物とミーナ、ジャックを取り囲み円を描くようにロウソクに明かりが不思議と勢いよく灯った。