『霧刻の谷があったから…霧刻の谷を越えて来る者がいなかったから…だから、ヒューマンたちに自然を破壊されずに、こうして綺麗な世界になったんだ、きっと…。行きましょう、ミーナ様』


ジャックはそう言って、ミーナに手を差し出した。


『うん』


ミーナはジャックの差し出した手を掴み、岩山を越えて緑溢れる綺麗な大地へと足を急いだ。


そして3人は岩山を抜け、緑溢れる大地へと降り立った。


3人が降り立った先には、緑のツルが巻き付きボロボロになっている、木で作られた看板が立てられていた。


『この先…つ…きや…み…のむ…ら?月闇の村!!』


ミーナは看板に書かれている、消えかけている文字を読んだ。