『では、行きますか…』


クロードはそう言ってゆっくりと表へ出た。


『ヴィルグロースの居場所はわかるの?』


ミーナは表へ出ようとするジャックに尋ねた。


『はい。ヴィルグロースに操られているときに、ヴィルグロースのアジトに私も居ましたから…ただ…』


ジャックはそう言って、入り口で足を止めた。


『ただ?』


ミーナは疑問を浮かべた。


『ヴィルグロースのアジトがあるのは霧刻の谷を抜けた先…』


ジャックがそう言うと、ミーナは驚いた。


『霧刻の谷って…万年晴れることのない、濃度の濃い霧がかかってるって噂の…あの谷のこと?』


ミーナは恐る恐る尋ねた。