『アカシア王は…アカシア王はトライバスタン城の地下牢に閉じ込められておる。衰弱しきり…ただ、“もうどうでもいい”とそれしか言葉にしないまま…。ジンタはそんなアカシア王に代わってこのトライバスタンをバゼルから取り戻そうと、一人で必死に頑張って…ゴホッ、ゴホッ』
ズブはそう言って、苦しそうに咳をした。
『一人頑張ってって…みんなは…みんなは国をバゼルから取り戻そうとしないの?』
ミーナは疑問を口にした。
『無理じゃ…世界一の勢力を持つ盗賊集団じゃぞ、バゼル一味は。この国に目をつけられた時点で全ては終わったんじゃ。ましてや、ワシらも自分が可愛いからの…奴らに逆らって殺されるより、奴隷としてでも命ある方が良いからの』
ズブのその言葉に他の村民たちも深く頷いた。


