『盗みは…やめた…』
ジンタはボソッと呟いた。
『はあ?やめたって意味がわからない。おまえは俺達からこの村を、この国を取り戻したいんじゃないのか?金がなければ、この村も国も譲れないぜ』
背の高い男はそう言って、ジンタをにらみつけた。
ジンタは悔しそうに唇を噛み締めた。
『恨むんなら俺達よりも、腑抜けてしまい簡単に俺達にこの国を譲ったトライバスタン王であった自分のオヤジを恨むんだな。ハッハハハ』
そう言って、背の高い男は高笑いをした。
『お前も大変だなジンタ。ガキのくせにこの村を、この国を…国民を守りたいって妙な正義感があるせいでよ。そんなに国民たちが俺達の奴隷になってるのが辛いのかよ、ハッハハハ』
背の高い男の手下も高笑いをして言った。


