ヴァンパイアヒューマン−桜−



『ミーナ様、凄く心配しましたよ』


ハートもミーナを見てひと安心した。


『早くガルディニア城を出ましょう!!』


ミーナはそう言って、ラッセルとハートと共に、降りてきた階段を登ろうとした。


『あっ!!』


ミーナはその階段の上を見て驚いた。


『ミーナ…』


階段の上から下を見下ろすリュートが呟いた。


『リュート、あたしはあなたと結婚できない。だからそこをどいて!!』


ミーナはリュートに向かって叫んだ。


『何故だ!?俺はガルディニアの王子リュートだぞ!!滅びたグラバドールの王女を妻に迎え入れてやるんだぞ…何故拒むんだ!?』


リュートは納得のいかない表情を浮かべながら叫んだ。