ヴァンパイアヒューマン−桜−



『あのリュートとか言う王子、ミーナ様に何かしやがったら絶対許さねぇからな』


ラッセルは唇を強く噛み締めて告げた。


『まさかライバル国のガルディニアに…それも地下牢に閉じ込められるなんて…はあ〜』


ハートはため息をついた。


『ラッセル、ハート…いる!?』


地下室の扉の外から小さな声が聞こえた。


『その声はもしや…ミーナ様では!!』


ハートは声に気付き、扉に近付いた。


『そこにいるのね、よしっ!!』


ミーナは扉を開けようと、扉のドアノブをガチャガチャと回した。


しかし、鍵がかかっている扉は開かなかった。