ヴァンパイアヒューマン−桜−



『み、みんな…みんな…頑張ってるんだ』


ミーナは遠く離れた国民たちの事を知り、安心と喜びでいっぱいで涙を零した。


『おい、おい、泣くなよ。俺が泣かしたみたいじゃないか』


クロードはそう言って、ポケットからハンカチを取り出しミーナに渡した。


『ありがとう、クロード』


ミーナは涙を拭い笑顔を見せた。


そんなミーナの笑顔にクロードは笑みを浮かべた。


『さてと…ヴァンパイアもいなさそうだし、俺はこの城を去るかな。そういや、地下に行きたかったんだったな?この部屋を出て左に行った先にある銅像を動かしてみな。じゃあな』


クロードはそれだけ告げ、さっさと部屋の窓から飛び降りた。


『えっ、ちょ、ちょっと!!ここ3Fだよ!!』


窓から飛び降りたクロードを見て、ミーナは驚き、慌てて窓から下を覗き込んだ。