本当、天の邪鬼。 分かってるけど、言ってしまう。 「ん、他の人には言わないけど、桃の事だから神様に言うより本人に言った方がご利益あると思わない?」 健太がそう笑う。 言ってることは分からなくはない。 いや、分かる。 あとはわたし次第ってことよね? 何かズルいけしかけ方……。 「……きっとご利益あるよ……」 何とも言えず、そう健太に伝えると、満足そうな顔をしていた。 「あーお腹すいた。何か食おう!」 健太がわたしの手をとる。