記憶の桜 -花空残夢-



「涼…、近藤さんは…?」




「すみません…、助けられませんでした」




私の言葉に土方さんの瞳が揺らぐ。




「近藤さんは板橋の刑場で…、斬首に処されました…」




私は泣かないように必死に耐えた。




私以上に辛いのは彼だから、彼の前では泣けない。




そんな私を土方さんは抱き寄せた。