「近藤さん!近藤さんッ!」 必死に私は彼を呼んだ。 刑場の真ん中に座る近藤さんはぐったりと疲れきっているように見えた。 あの優しかった近藤さんとは思えない程だった。 「近藤さんッ!!!」 彼は刑場の端の方にいる私を見ると、にっこりとあの優しい笑顔を見せてくれた。 「―――――――」 近藤さんは口を動かして、何かを言った。 遠く離れているはずなのに、彼の声が鮮明に耳に届いた。