記憶の桜 -花空残夢-



「ふっはははっ!さすがは花散り鬼だ!いや、さすがは鬼副長の小姓だな。奴が選ぶだけあって、肝が据わってる」




いきなり笑い出した男に私は呆気を取られた。




「縄を解いてやれ」




男の命令で、私の腕は数日間振りに下ろされ、足枷も外された。




でも、手首の縄はそのままで、身体には新たに縄が巻かれた。