記憶の桜 -花空残夢-



「素直に吐けば、良いものを…」




牢を出て行く男の呟きが聞こえた。




2人の男は私に近付くと、髪を掴んで来た。




「綺麗な顔してんじゃねぇか…。やりがいあるな…」




男達はニタァと気持ち悪い笑みを浮かべると、唇を舐めずった。




その姿はまるで、獣のようだった。




それから私は何度も問い詰められ、答えなければ、平手打ち、竹刀で殴られた。




同士を殺した花散り鬼という事もあるのか、奴らには手加減の文字は無かった。




幸い、性暴力が無かっただけ、良かったと思う。