「トシはどうしてる?」
「部屋で仕事をしています。今後の戦に備えるそうです」
土方さんはもう近藤さんに負け戦を経験して欲しくない、と懸命に働いている。
もう少し、自分の身体も気遣って欲しい…。
でも、彼は私が言っても、聞く人じゃないし…。
近藤さんに言ってもらおうかな?
「あの…、近藤さ――」
「葛葉君、俺に何かあったら、トシを頼む」
「近藤さん…?」
すると、勢いよく襖が開いた。
「2人共、此処に居たか!急いで、逃げる準備をしてくれ!周りを新政府軍に囲まれた!!」
土方さんと島田さんが慌てた様子で、部屋に飛び込んで来た。



