記憶の桜 -花空残夢-



それから、私達は下総流山にある金子邸に駐屯する事になる。



斎藤さんは隊を率いて、市川で銃などの扱いの訓練をしている為、此処には居ない。




「近藤さん、お茶をお持ちしました」




「おぉ、葛葉君。ありがとう」



甲府での戦い以来、近藤さんはすっかり元気をなくしてしまった。




負け戦だった上、原田さん達の離隊も重なり、精神的に衝撃を受けたのだろう。