記憶の桜 -花空残夢-



「でもな、涼ちゃん。俺達は離れてても仲間だ」




「何、柄でもねぇ事言ってんだよ。新八」




原田さんは永倉さんを肘で小突くと、私に小指を出して来た。



「約束だ。俺達はまた会うっていうな」




私は差し出された彼の長く綺麗な小指に、自分の小指を絡めた。




「指切りげんまん~、嘘ついたら、針千本飲~ます、指切ったってな」




原田さんの小指が離れると、彼らは自分達の歩む道を歩き出した。




「元気にまた会いましょうねー!!!」




私は溢れそうになる涙を堪え、2人に向かって叫んだ。