記憶の桜 -花空残夢-



「分かった…、撤退しよう…」



彼は戦力の違いを見せつけられ、うなだれていた。




「皆さんに伝えて来ます」




私はその旨を伝えに行く為、陣を後にしようとした。




「俺は大将の器では無いようだな…」




後ろから近藤さんの哀しそうな呟きが聞こえたような気がした。




こうして、甲府での戦いは旧幕府軍の大敗で幕を閉じた。