記憶の桜 -花空残夢-



「分かった。俺が江戸に行って、援軍を呼んで来る」




土方さんは席を立ち上がり、陣の外に出た。




私もその後を追う。




「気をつけてくださいね、土方さん」




「ああ」




彼は馬に跨がる。




はっきり言って、彼1人で行かせるのは不安だった。




街道にだって、新政府軍が居るだろうし…。




すると、土方さんは私の不安を感じ取ったのか、私の頭に手を置いた。