「ただいま、父上、母上」



私は持って来た花を何も無い更地に手向けると、手を合わせた。



顔を上げ、何も無い実家の跡を見渡した。



ふと、真ん中の方に白い物が見えた。



近付いて見てみると、それは白い菊だった。



花はまだ新しく、見た感じでは今日の朝に供えたばかりに見える。