記憶の桜 -花空残夢-



急に抱き着いたせいで、彼は体勢を崩し、後ろに倒れた。




「何しや…」




私は彼の襟を掴み、引き寄せると口付けた。




唇を離すと、土方さんの目は驚きで揺らいでいた。




「私、怖いんです。人を殺して来たのに…、人の幸せを奪ったのに私が幸せになって良いのかと…」




花散り鬼として殺して来た浪士の中には妻や子、恋人が居た者も居た。




人の幸せを奪った私が幸せになって良いのか、不安だった。