記憶の桜 -花空残夢-



「目を開けて、鏡を見てみろ」




目を開け、彼が差し出している鏡を見た。




「これって…」




私の髪には簪がついていた。




空色のガラス玉に桜の花の飾りが付いていて、ガラス玉から伸びる白い紐には同じく桜の花が飾られている。




見るからに高そうな簪だ。




「市中を見回りに行った時に見つけたんだ。気に入らなかったか?」




私は首を横に振った。




彼がくれた物だから、気に入らないはずがない。