記憶の桜 -花空残夢-

【涼】


明治2年5月10日――。




新政府軍はすぐそこまで来ていた。




明日にはこの箱館も戦場になるだろう。




「明日、来るだろうな…」




土方さんは窓から新政府軍が来るだろう方向を睨んでいた。




「…そうですね」




不安で仕方ない…。




彼は近藤さんが亡くなってから、死に急いでいるように見えた。




もし明日、戦になって、彼が死に急ぐような事をしたら…。