記憶の桜 -花空残夢-

【涼】


翌日。



ああ…、またやっちゃったよ…。




私はお酒を呑んだせいで、京での出来事を繰り返してしまった。




酔って記憶が無いならまだしも、私の場合、綺麗に何を言ったかも覚えている。




「本当にすみませんでした!」




私は昨日愚痴を言った兵士に頭を下げた。




「葛葉さん、頭を上げてください!俺は大丈夫ですから」




頭を上げると、兵士は困ったように頭を掻いていた。