記憶の桜 -花空残夢-



ふと、兵士達に視線を移すと、奴らは顔を赤くしていた。




何か、おかしい事言ったか?




「お前らも風邪引かねぇように気をつけろよ。戦はいつ始まるか分かんねぇからな」




そう言い残し、俺は涼を抱いて、その場を後にした。




『土方さんが惚気た…』




後ろから兵士達のそんな声が聞こえた気がした。




多分、空耳だろう…。



多分…。