記憶の桜 -花空残夢-



俺は彼女を抱き起こした。




「あの…、これは一体…」




兵士達が不思議そうに涼を見ていた。




確かにいつものあいつとは真逆な感じだしな…。




「こいつ、酒を呑むと泣き上戸になるんだよ」




兵士達は納得したように頷いた。




「大変ですね…、土方さんも…」




「いや、そうは思わねぇ。俺はこいつのすべてに惚れたんだからな」




俺は酒のせいで赤くなった涼の頬を撫でた。