記憶の桜 -花空残夢-



恋仲なんだから、もっと甘えて欲しい…。




お前が抱えている重たい荷物を俺にも分けて欲しい…。




愛する人が出来ると、人はこんなにも欲深くなってしまうのだと感じた。




「もっと俺に甘えて良いんだぞ…?」




そう言うと、彼女は声を出して泣き始めた。




俺は泣きじゃくる涼を強く、尚且つ壊れ物を扱うかのように優しく抱き締めた。