記憶の桜 -花空残夢-



「愁…?」




「やっと会えたね、姉上」




そこに立っていたのは死んだと思っていた弟、愁だった。




信じられない事実に私は呆気を取られてしまう。




「哉梛(ヤナギ)、その人を離してやって」




土方さんを押さえていた哉梛と呼ばれる男は彼を離した。




土方さんは刀を納め、肩を押さえながら、私の横に立った。




「大丈夫ですか!?土方さん」




「ああ。それより、これは一体、どういう事だ?」




頭の良い彼も頭が混乱しているようだ。




「説明しますよ、すべて…」




愁はすべてを説明してくれた。