記憶の桜 -花空残夢-



「あの…、私、弟は居ましたけど、既にこの世には…」




私は恐る恐る姉弟らしき2人に声をかけた。




すると、何故か2人は爆笑していた。




「何がおかしいんですかっ!?」



「そりゃあ、おかしいでしょ。だって…」




「勝手に殺さないでよ、姉上」



少年の言葉を遮るように、後ろから青年の声がした。




後ろを振り向いてみると、20歳くらいの青年が立っていた。




あの面影は…。