記憶の桜 -花空残夢-



「もう二度と離さねぇ…」




「私も絶対に離しませんよ…。もう二度と貴方の傍から離れたくない…」




すると、彼は少しだけ身体を離し、顔を近付けて来た。




私は目を閉じた。




そして、そっと唇が重なった――。




そっと触れるだけの口付け。




初めての口付けは甘く、優しいものだった。