記憶の桜 -花空残夢-



「何度もお前をこっちに呼ぼうとした。でも、お前を哀しませるんじゃないかって思って、なかなか呼べなかったんだ」




彼は私を強く抱き締めた。




「本当はお前に傍に居て欲しかったんだ…」




今まで気丈に振る舞っていた彼が自分の胸のうちを話してくれる。




それ程、私を想ってくれているという事だ。