記憶の桜 -花空残夢-



「涼。俺が何故、お前を連れて来なかったか分かるか?」




私は土方さんを見上げると、彼の問いの答えが分からず、頭を傾げた。




その私の仕種に彼は小さく笑った。




「大切な奴を…、惚れた女を守りたかったんだよ」




私は土方さんの言葉に驚き、目を見開いた。




惚れた女…?




それって…。