記憶の桜 -花空残夢-



五稜郭にて。




私は大鳥さんに案内され、土方さんの部屋の前に立った。




この扉の向こうに彼がいる。




仙台で別れて以来だから、3ヶ月振りに彼と逢う。




その為か、少し緊張していた。



「土方君、ちょっと良いかい?」




「大鳥さんか。入ってくれ」




大鳥さんは扉を開ける前に私の方を向いた。




「準備は良いかい?」




「…はい」




私が頷くのを確認すると、大鳥さんは扉を開けた。