記憶の桜 -花空残夢-



ようやく、蝦夷に着いた。



蝦夷は奥州よりも北に位置するだけあって、雪が多く、寒い。



陸に上がると、気分はすぐに良くなった。




港を歩いていると、大鳥さんの姿を見つけた。




「葛葉君、久し振りだね。榎本さんはどうしても抜けられない用事があってね。代わりに僕が来たんだ」




「すいません、わざわざ」




「良いんだよ。それより、ようこそ、蝦夷共和国へ」