記憶の桜 -花空残夢-



貴方はご存知ではないと思いますが、貴方がた姉弟にはもう1人、姉弟がいます。


その人はゆりと言って、涼の双子の姉です。


しかし、彼女も既にこの世には居ません。


詳しい事は涼の口から聞いてください。


他人に言われるよりも、自分で言った方があいつの為になるんです。


話は変わりますが、旧幕府軍はあと一月が経たないうちに蝦夷へ向かいます。


蝦夷はこれまで以上に厳しい戦場になります。


あいつは新選組に居る事によって、仲間との別れをたくさん経験して来ました。


哀しい思いもたくさんして来たと思います。


だから、俺は涼を仙台に残して行く事にしました。


お願いです、涼と共に暮らしてやってください。


あいつには人並みの幸せを手にして欲しいんです。


良い返事をお待ちしております。



新選組局長 土方歳三』