記憶の桜 -花空残夢-



それから、数日後。



私は愁達と蝦夷に向かう船に乗った。




船の欄干に掴まり、海を見ていた。




こうしていると、大坂から江戸に向かっていた航海の事を思い出す。




あの時は彼が私の隣に居た。




でも、今は…。




「姉上」




愁が私の横に立った。




そういえば、愁に話していない事があった。