記憶の桜 -花空残夢-



「姉上!これを見てくれ!!」




いきなり部屋に飛び込んで来た愁は、私に一通の文を差し出して来た。




私はそれを受け取り、誰からの文か確認する為、文を裏返した。




そこには、『榎本武揚』と書いてあった。




私は慌てて、文を読んだ。




「え…っ」





私は文の内容に驚いた。




文には、私を土方さんの小姓に任命するという辞令だった。