すると、着物の袂が引かれる。



視線を向けると、翔馬が心配そうに俺を見上げていた。




「涼ちゃん、大丈夫?」




まだ幼い翔馬も姉上の事が気がかりらしい。




考えてみると、俺や夏依が姉上の部屋に行く時は大抵、翔馬も一緒に居る。




幼いながらも、翔馬は人を気遣える優しさを持っているようだ。