記憶の桜 -花空残夢-



来たか…。




俺は立ち上がると、障子を開けた。




「来たか。急な文、すまなかったな」




「いえ…」




俺は庭に居た涼の弟、愁に声をかけた。




こいつを呼び出したのは他でもねぇ…。




俺は涼に視線を移した。




「涼、お前は仙台に残れ」