記憶の桜 -花空残夢-



翔馬は両親の良い所取りをしたらしく、幼いながらも端正な顔立ちをしていた。




大きな目に綺麗な鼻筋、少し薄めの唇。




よく見ると、幼い頃の愁にそっくりだ。




「涼ちゃん!」




愁があらかじめ教えていたのか、翔馬は舌足らずの口で私の名前を呼んだ。




私は翔馬が可愛くて、ぎゅっと抱き締めた。




「それより、何故此処に?」




「それは…」




すると、土方さんの部屋が開け放たれた。